組織活性化の指標

昨日のエントリーに関連しますが、

昨日は、活性化した組織の特徴として、
メンバーの一人ひとりが自分の仕事の範疇の他に、全体を鳥瞰できる視点を持つこと。
などと、エラそうなことを記しました。

その特徴を持った組織に、最近接する機会を持つことができました。


4月に義父が亡くなり、H祭典さんにお世話になった時のことです。

義父は10年以上、東京K市にある特別養護老人ホームにお世話になっていました。
その老人ホームで、一昨年の12月に、義父に対して職員による虐待と思える事件がありました。

このホームは、その半年ほど前にも、職員が入所者の皮膚をL字に切開するという事件が起きたばかりです。
この時施設側は、家族にはその件を内密にするよう頼み、事件は隠蔽されました。当事者の職員Mは退職しました。
老人ホーム側は、この件は外には漏れていないと考えていたようでしたが、当事者のご家族から情報を得ていました。

介護の世界の仕事は過酷な割に、待遇はそう良いものではありません。
多くの専門学校で、介護コースが開設されていますので、若い人達が希望に燃えて入ってはきますが、大概の施設では離職率が高く、定着率の低い職種になっています。
せっかく介護の勉強をしながら、抱いていた理想を実現することが無理と感じて退職したり、腰を痛め別の業界に転職したりする若者も少なくありません。

介護保険を少しくらい上げても、現場で働く人達の待遇改善まで廻りにくく、補助金行政による制度運営は、社会的ひずみを生みやすく、介護の最前線で働く人達の意欲を高め、モチベーションを維持していく仕掛けを作ることは、現状では大変難しいと思います。
高齢化した日本人は、将来的にフィリピン等の介護士さんの手に委ねざるを得ないなどと政府関係者が言っているほどです。

こうした余裕のない世界では、一定の比率で虐待の問題が発生するのは仕方がないと私は思っています。
しかし、いざ事件があった時などに、施設側と家族、職員とが、どのように協力し合って改善していくか、虐待が起こらないように、どう連携していくかということを、率直に話し合えることが、重要なことであり、施設の最低条件だと考えていました。

12月末に、私は担当医と看護師等と話し合いを持つことになりました。
しかし、残念ながら、当該施設は、介護士や看護師、担当医共に、虐待は当該施設では今までなかったと言い張るのみで、胸襟を開いて一緒に対応を取ろうというハートはみられませんでした。また、事件の生じた原因を調べてほしいと頼んでも、調査する余裕すらありませんでした。
それどころか、担当医からは、嫌なら出ていけ、といった発言もありました。

特養の入所希望者は、どこも何百人もいますから、私のようなうるさい家族のいる入所者には出ていってもらいたいというのが正直なところでしょう。物を言わず、面会にもあまり来ない家族が、こういう施設にはありがたい家族なのだと思います。

私の方から虐待という言葉は一度も使いませんでしたが、担当医は当施設に虐待は一度もないと言い切っていました。
私は退職した職員Mの件を虐待と認識していないのかと担当医に問い、担当医の行為は高齢者虐待防止法に広範囲に抵触していると思える旨伝えると、高圧的な言動だった担当医は看護師の陰に隠れるようにして、何も発言しなくなりました。以降、私は看護師さんと話をし、こちらの要望を伝えました。

話し合いの後、施設の当事者達に問題解決能力が全くないことを悟った私は、
年が明けると、休日には静岡市の老人ホームや病院を廻り、義父を受け容れてもらえるか、また、その職員の資質や施設のレベルはどうかということを見て廻ることになります。


首題の題目から大分それてしまいましたが、続きは後日に。







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