高齢化の周辺

寿命が長くなるにつれ、仕事を辞めてからの年月も長くなります。
直接収入がなくなってから、この間の生活の組み立てに無くてはならないものが年金制度です。
しかし、少子化による年齢構成比の変化により、制度の維持が難しくなってきているのが現状です。

今後、制度維持のためには、増税、受給年齢の引き上げ、受給金額の引き下げ等の措置を取らざるを得ないものと思います。

このような状況で、高齢化が進み、直接収入を得られない期間が長くなると、
古くから住んでいる家屋敷以外には、余裕資金と言えるものはないという、
ご高齢の世帯が増えていくものと思います。


持家を担保として、死亡するまで生活資金の融資を受け、
死亡時に担保不動産の売却等により、一括返済・精算するといった手法をリバースモゲージと言います。

リバースモゲージ先進国のアメリカでは、1960年代からこの制度が始まりましたが、
最初は高齢者世帯の固定資産税などの納税が滞るのを防ぐための目的等、
政府の都合によりその制度はスタートしたようなところがあるようです。


日本では1981年に武蔵野市が制度を導入して話題になりました。
その後、いくつかの自治体や、民間では信託銀行でも導入されたようです。

現在は、自治体では社会福祉協議会が窓口となるところが多いようで、
日本では高齢者の在宅福祉政策の一つと捉えられているようです。

在宅の高齢者の方の生活費の融資という面の他、
N町の母娘の事例や、独居老人世帯の問題等を考えて思ったのは、

在宅ではなく、施設に入る高齢者の方が、
施設でかかる経費の融資を毎月受ける一方、

その自宅を事業主に利用してもらうことで収益を上げ、
最後に売却・精算するという方法です。

その土地にどういう利用方法があるかにより、収益の差が大きく、
ご自分が在宅して生活費を融資してもらうよりも、
有利な結果になる場合も出てきます。

もっとも介護保険制度に依存している施設に入ることが、
既に、税の恩恵を受けている訳で、
どういう選択肢が社会的コストを抑えて、小コストな生き方になるのかが、簡単には判然としないのですが。






'