気まぐれな需要

アクアス焼津は津波の避難場所とされていました。

今では、目の前に広がる駿河湾に3階建ての建物では、
いざというときに逃げ込もうという人は少ないことでしょう。

焼津のように、海岸から近い地域が人口密集地という都市では、
震災対策を組み直すのは、大変な作業と思います。
ましてや、行政は絵を描くだけでは済みません。
財政の裏付けのできる計画を立てて、計画を実行していかなければなりません。


このアクアス焼津のすぐ近くに、磯自慢酒造はあります。
創業1831年と長い歴史がありますが、品質を重視して量産に走ることがなかったために、銘酒として入手するのが難しいお酒になっています。
東京では購入できる酒販店が5軒のみとのこと。

焼津のある地酒専門店では、入荷するとすぐ売れてしまうので、購入者が限定されないように、予約は受け付けていないとのことでした。

もともと通の人には良く知られたお酒でしたが、
4年前の洞爺湖サミットの食事会で、乾杯酒として饗されたことで、
流通量が限られている中、全国区で有名になり、一層品不足状態になりました。

その専門店では、比較的入荷量が多いためか、手に入れやすいのですが、
人気にかこつけて量産をしないという姿勢が、
結局商売を永続可能にする大きな条件と考える蔵元も増えてきているようです。


一頃、需要に応ずるため量産しようと桶買いに走り、結局墓穴を掘った大手醸造会社がありましたが、最近の蔵元はその辺のツボはしっかり押さえているようで、質の高い地酒を供給する蔵元が目立つように思えます。






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