穏やかな日々?

今日は休日なので、午前中に義母がお世話になっている老人ホームに行ってきました。

今日は義母の誕生日です。

といっても、本人は理解できません。誕生日が特別な日であることも分ってはもらえません。
思えば、以前は、毎日毎日が特別な日だったろうにと思います。

今は特別な日とかいう起伏のない毎日を過ごしているのだろうかと思います。


義母は食堂兼用の談話室で、他の入所者の方達と話をするでもなく、車椅子に座っていました。

私は車椅子を押して、義母の部屋に入りました。

部屋のテラス窓から富士山が正面に見えます。
雨が降り出しそうな曇り空でしたが、富士山はくっきりと近くに見えました。

義母は、多少は心が緩むのか、
気丈な看護婦長だった頃、患者さんに教えた指の運動を、自分の指で私にやって見せてくれます。

私が、難しいのに良くできるね、と言うと、

そう?簡単だよ、と真顔で答えます。

家族のことも判らない義母。
私と顔を合わせていても、私が誰だか判りません。

私が一緒にいる時間と、私が帰った後の時間とで、何か違いがあるのでしょうか。
義母の心の中では、一体どんなふうに時が過ぎていっているのでしょうか。

起伏のない毎日が、義母にとって平穏な毎日であってくれれば良いと思います。







'