日本のマリオ・モンティはいずこ

日本国内での日本国債引き受けが約95%という高い数字なため、日本のデフォルトはあり得ないという主張は耳に心地よいのですが、、


昨年の11月に、イタリア国債が暴落しました。あのときは、金融市場の投機筋に狙われたための暴落といわれています。

アジアの金融危機はタイのバーツの暴落から始まりましたが、あれも投機筋の資金引き上げが発端でした。

日本国債を日本の法人が購入していても、その購入資金の出処はオイルマネーかもしれません。

日本国債は国内引き受け95%程なので、デフォルトは起きない。素朴な論理の組み立ては何だか怪しい気がします。
単に国民に不安を与えないようにしているだけではないのだろうかと。
なんせ、大蔵省内でも預金封鎖を議論していたらしいので。

でも、どうして、その議論は打ち切りになったのでしょうか。
そんなことをしたら、選挙で負けて与党に返り咲けないなどといった理由で、政治家からの反対があったのでしょうか。
自分達の保身のために、国の危機を二の次にしたのでしょうか。

デフォルトには簡単にはならないでしょう。どこの国でも必死で回避しようとしますから。
しかし、手をこまねいていたら、どうなるか分らない怖さがあります。


IMFの管理下に入るなど、経済危機に瀕しているイタリアでは、昨年11月に元経済学者のマリオ・モンティ氏が首相に就任しました。
この内閣は、閣僚全員が国会に議席を持たない学者、判事などで、いわゆる政治の専門家ではありません。
自らは経済財務大臣を兼任し、政治家抜きの閣僚による新政権を発足させました。発足直後の支持率は何と7割を超えたそうです。(後に国民に負担を強いる政策を打ち出すと3割ほどに落ちているようです)

閣僚全員が日本の森防衛大臣みたいなもの。
日本の政治家ならば、選挙の洗礼を受けていないため、国民への責任感が乏しい素人集団だなどという見方をしそうですが。

この元経済学者は、トービンに師事したこともあり、研究室にこもっているタイプの人ではありません。ゴールドマン・サックスコカ・コーラの顧問でもあったそうです。

この首相は給与返上、2年で退陣するという、日本の政治家ならば決して約束できないことを表明しています。

就任後20日程で、年金支給年齢の引き上げや付加価値税の2%増税、株式・金融商品・贅沢品に対する課税、公選制州政府公務員に対する給与の廃止等々の緊縮財政策を打ち出しました。

これまで、この人がどれだけ現状打破のために、イタリアを救うためには何を行ったら良いかということについて、真剣に考えてきたかが分かります。そのための具体策を、首相就任後20日程で表明したのです。
もちろん、国民に痛みを強いる内容が多いのです。

こうした思い切った施策ができるのは、選挙の洗礼を受ける必要がないため、民意に右顧左眄することがないからだと思います。ただし、能力・人間性が??という人は論外ですが。


国民の審判を受けるトップが、スタッフとしての実務派閣僚を任命し、失敗したらトップ自ら閣僚ともども退陣するという潔さがあれば、日本でも危機に真っ向勝負する施策が打てるのだろうと思います。








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