食べ残しではありませんが

日本では食べ残しが捨てられる他に、人の口に入らないものまで大量に廃棄されています。

日本の消費者は鮮度に敏感です。そのため、日付に大変厳しいところがあります。
消費期限に近い商品は棚から取ってくれず、先入れ先出しの在庫管理の原則のため、後ろにある日付の新しいものを購入していく人が多いのです。そのため、手前にある商品は消費期限を過ぎることなく、売れ残って返品になってしまいます。

売店で返品リスクをカバーしなければならない場合は、消費期限間近な商品は値段を下げて売りさばきます。
売店で返品リスクのない取引条件であれば、期限が古いものはどんどん返品になります。

こうした状況の中、スーパーなどの小売店業界は、消費者の鮮度志向に応えるため、飲料や調味料、スナック菓子、即席麺などを対象にした3分の1ルールを取り決めました。

賞味期限が6か月の加工食品の場合、製造から2か月以内に卸業者から小売業者に納品しなければならない。「納品期限」を過ぎた商品は賞味期限前でもメーカーなどに返品されることになり、その多くは廃棄されることになります。
日本の消費者の志向に合わせた、販売側の対応です。

流通経済研究所の2010年度推計値は、賞味期限6ヶ月の場合、このルールによる返品廃棄の金額は年間で、1,556億円になるとしています。


賞味期限が切れていない加工食品の返品や大量廃棄の要因とされる流通業界の商慣習。この「3分の1ルール」は、その時代によって評価が変わります。

菓子メーカーなどの団体は「期限に合理的根拠はなく、食品や資源のムダにつながる」として、緩和や弾力的な運用を要望していました。
そして、経済産業省の主導で「製・配・販連携協議会」を、メーカーや卸、小売りの主要企業約40社が発足させ、流通の効率化を求め、「行き過ぎた鮮度競争を改める」として、ルール緩和の必要性を打ち出しました。
不況や原料高騰に加え、「東日本大震災後、節約や環境に対する消費者意識が高まったことも後押しした」ということです。

流通段階のムダをなくすのが目的で、近く有識者を交えた検討チームも発足し、来年度をめどに具体策をまとめるそうです。

「モッタイナイ」は、世界的にCOOLとされています。時代に沿った対応だと思います。




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