仲介業の役割

不動産業界には建築条件付売土地と呼ばれる、土地の販売方法があります。

大雑把に言いますと、その土地を購入する場合、
土地の売主または売主の指定する建設業者等で、その土地に建物を建てるという条件です。

業者側からすると、その土地を気に入っていただいた方に、建築請負をしていただき、建設工事を受注するという営業手法で、中小工務店・不動産業者から大手のハウスメーカーでもこうした販売方法を行っており、建売住宅と並び、住宅の供給方式として一般的な方法です。

大規模な分譲地を手がけるデベロッパーは、売りやすい区画はエンドユーザーに直接販売するエリアとして自社販売して、その他区画を建設業者に自社販売を行う前に割安で売却したりする場合があります。
土地を購入した建設業者は、購入した土地を建築条件付として売り出します。

似たような手法は、建て貸地においても、ロードサイドの土地を借りて店舗を出す場合、建設業者が特定されている場合もあります。


こうした販売手法は不動産業特有の販促形態かと思っていましたが、
大規模霊園などでも似たような販売方法が行われている事例があるのを最近知りました。


1千区画などの大規模霊園を開発しても、すぐには埋まりません。
しかし、需要は毎年毎年一定して発生します。

霊園の事業主が直接分譲して、お墓を建てる石材店を紹介する場合もありますが、幾つかの石材店が例えば30区画、50区画の墓地を購入して、年数をかけて再販するという例です。

この場合は、石材店は墓石建立の本来業務を受注するために、墓地を購入して再販するという販売形態をとっています。

大規模霊園の販売窓口が、幾つかの石材店で、当初の事業主は墓地の募集をしていない場合があります。
事業主は墓地を完売しているため、売却リスクは墓地を購入した石材店が負っています。そのため事業主は財政的リスクなく霊園の運営を円滑に行えるというメリットがあるものと思います。

売却リスクを負った石材店は、墓石建立による利益で金利負担や売却リスクの補填を行います。

石材店は自社所有の墓地の分譲以外にも、他の霊園や公営墓地の紹介を行うことで墓石建立の仕事を獲得しようとします。
不動産業界の売主、仲介業務といった形態と重なるところがあります。

また、建墓ローンの手続きなども行ったりと、石材店が不動産仲介業者のような役割を担っているようです。






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