UKの憂鬱

小学生時代に、手塚治虫石ノ森章太郎の漫画を見てだったと思いますが、
ロンドン警視庁のことをスコットランドヤードと呼ぶのが不思議で、
また、スコットランドヤードという響きをとても魅力的に感じていました。

同じ思いだった漫画家志望の友人と一緒に、
小学校の図書館の司書の先生を巻き込んで調べたことがありました。

その時は、イギリスの背景には難しいことがあるようだくらいの収穫だったと思います。

その後、ホームズやポアロなどにスコットランドヤードの刑事が度々出てくるので、スコットランドに親しみを感じていました。

スコットランドイングランドとの対立を知ったのは、
後に映画の中の世界を見た時でした。


昨年行われた世論調査で、スコットランドのUKからの独立賛成派が反対派を上回りました。
UK全土の調査では賛成39%に対し反対が38%、
スコットランド内の調査では賛成が49%、反対が37%でした。

UK全土でも、ほぼ互角ではありますが僅かに独立賛成派が上回っています。


現在でも対立は根深いようで、今後住民投票を行うようですが、その結果いかんでは、UKからの独立ということにもなりかねないようです。

ブレア政権による地方分権政策の影響もあり、民族意識が高まってきているという面があるのかもしれません。
また、ユーロの導入により、国家の概念が変質してきているという面もあると思います。
4カ国の連合体とはいえ、UKのような狭い国土でも、
一つの国家としてまとまるのが難しいというのは、
それだけ過酷な歴史を経験してきているということはあるでしょうが、
民族のプライドと教育に関しても熱いものがあるのだろうと想像できます。

日本でも藩による根深い対立になりそうな歴史はありましたが、
強い中央集権国家ができたため、分裂は起こらずに済みました。
しかし、今の日本を見ると、どちらが良かったのかと思うこともあります。


いずれにしても、大英帝国は、
揺るぎないものの代名詞のような存在というのが自分のイメージでしたが、
確かなものなど何もないのだなという思いを強くするこの頃です。





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