婚前契約(3)

欧米の富裕層の結婚の際には、婚前契約、プレナップ(Prenuptial Agreement)を交わす場合が多いようです。

また、富裕層というほどの資産家でもないのに、プレナップ(Prenuptial Agreement)を交わすことを求められる場合もあります。

日本人の国際結婚が多くなるにつれ、外国人との結婚で、この概念にぶつかることが出てきますが、日本人の中には違和感を感じる人も多いようで、これから結婚をしようという気持ちに、水を差されるように受け止める方もいるでしょう。


一般的には、プレナップ(Prenuptial Agreement)は、これから結婚しようとする2人のうち、一方が年収や財産が多い場合、万一離婚ということになった場合を想定して交わされます。


離婚の際に、パートナーだった相手に、必要以上に財産を持っていかれることを防止するため、つまり自分の財産を守るために交わす契約です。
結婚前に、総ての所有資産やお金全般に関する取り決めをして、双方が同意書にサインをするというものです。

プレナップを交わす際には、これから結婚しようとする、男性側、女性側が、別々の弁護士を雇って、相手が一方的に有利にならないように、契約内容を吟味し、取り決めを行います。

こんな経過を経ると、上っ面だけの恋愛感情だけで結婚しようなどと考えている人は、熱い気持ちで見えなくなっていたものに目が行くようにもなるでしょう。

また、真剣に結婚を考えていた人でも、プレナップの手続きを話題にされるとき、離婚時に、自分が財産を必要以上に得ることを抑止するという相手側の強い意志を感じ、自分が財産目当てに結婚しようとしていると、相手や相手の両親が思っているのではないかと考えてしまい、ショックを受けるというのが日本人の多くの心情ではないかと思います。

結婚前から離婚の事を考えると言うことは、今の日本人の体質に合わない面があるとも言えますが、元々日本でも結婚するに当たり家の存在は無視できないものではありました。

現在では、日本では世界市民などという概念で国家の束縛、国家への帰属を極力薄めようとする人達が多くなっているようです。
個人の意思・感情と、生まれや環境、所属する国家との関係や、その整合性等については、今の日本にいると対峙する機会はとても少なくなりましたが、世界に目を向けると、そんなわけにいきません。




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