マスコミの立ち位置の変化

さて、マスメデイアの中の電波業界も、新聞業界にたがわず、大変な波にさらされていると思うのですが、切実な危機感が感じられません。

本流とは外れますが、昨年何度かあったフジTVへのデモに関して。
当初、デモというのも大人げないような気がしましたが、その反面、デモが何度もあったのに、その事実を大手マスコミが報道しないというのも、どうかなと思っていました。

しかし、考えるまでもなく、各TV局等の売上を左右するスポンサーの胴元のような大企業の顔が、報道しないことに向いているわけですので、当たり前のことでした。

私の知人はデートも兼ねて彼女とフジTVへのデモに参加したそうです。
聞いてみると、フジTVに対しての抗議の気持ちはあるそうです。いき過ぎだと言ってました。しかし、その意思表示をするのに、しかめっ面で批判するのではなく、お台場デートも兼ねたデモ参加。
こうしたノリでデモに参加して意思表示をするということも、悪くないことだなと思います。TV局への期待度が高くないことの表れでもあるのでしょうが、意思表示表明の垣根を低くすることは、とても重要に思います。

フジTVの事態は関連部門やスポンサー企業への、電凸、メル凸、スポンサー企業の不買運動やデモなどとと広がっていきました。
フジTV等への批判も偏重している感じもしましたが、その反論も納得できる内容ではなく、一連の騒動はメデイアとそのお蔭で生活している人達への信頼性を失う結果になったような気がします。


現在のNHKでは担うのは難しいでしょうが、BBCやNHKのような立ち位置の機関しか、もはや電波業界の質の向上は望めないのだろうかと思う時もあります。
ただし、地上局と比べると一段降りたように見られているBSなどの媒体が、アンダーグラウンド的な立場から報道の風穴を開けていく可能性もあるとも思えます。地上波ではできない長時間報道番組などを見ていると、視聴率の取れない番組が主役ではないかなどという気にもなります。これは、新聞の質と購読数との関係とも似ていて興味深く思います。いずれにしても、BSを見ていると、良い方向に進んでいくような気もします。


ところで、フジTVといえば、大津市のいじめ自殺事件の件で、加害者関連の実名等個人情報を番組内で漏らしたことで、この事件の状況が一段違った方向に進んだように思います。
加害者の関係者にとっては、とんだ災難でしょうが、このことが、この種の事件の問題の所在をあぶり出したとも言えます。
今度は加害者やその家族の生命の危険性も考えられますので、被害者を守ろうとはしなかった警察が、加害者を守るために奔走することになるのでしょう。

体を張る度胸とハートのある人達がいれば、今後のこうした事件に関して、どんな対応策を構築していったら良いかという、大変重要なヒントをフジTVは漏らしたことになります。

プライバシーは守らなければなりませんが、詳細情報を把握することが、問題の解決策を考える上で、どれだけ重要かということを知らせてくれたと思います。
ブラックボックスにすることは、解決しようとする人の意欲を奪ってしまいます。
ここにも、マスメディアが存在価値と重要な役割を示す場があると思うのですが、、、




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