国債と金利の動向(2)

温暖化に対する先進国の反応や対応を見ていると、まるで、緩慢な温度上昇のために、やがては沸騰するであろうビーカーの外へ飛び出せない蛙のように感じることがあります。

自分のビーカーは大きいから、同じ熱源であれば温度上昇は他の国よりも耐えられるとでも思っているのでしょうか。
良かれと思って吹かせる兄貴風が、時に問題を引き起こしはしますが、それでも良識のある国民のいる大国が自閉症化していくと、世界は不安定になってしまいます。
時には機嫌をとったり、なだめたり、出番を用意したり、頼りになる兄貴達と連携していかなければなりません。


欧州で財政危機に瀕しているスペインやイタリアよりも、国債発行の比率は高いのに、日本の国債が安定しているというのは、日本の国債の引き受けが国内で95%にもなるからと言われています。

これは著名な評論家諸氏からマスコミの経済担当記者、学者の多くが言うことです。
こうした発言をたびたび聞くと、日本のデフォルトなどは幻想に過ぎないのかななどと、安心してしまいそうになります。
しかし、評論家は矛盾したことを声高らかに叫んでも、その矛盾が問われることもあまりありません。
それだけ、私達の住む社会が複雑で、現実に起こっている現象には、いろいろな要因が作用し合っているからだとは思いますが。

アメリカの住宅供給を支えていた金融システムが破たんした時に、その当時、破たんしたツケが全世界にも及ぶと思っていた学者や評論家は極めて少ないと思います。

しかし、今では、金融システムは、世界的にリスクを分散させる方向でシステム化されていますので、経済問題が一国の中だけで完結することなどあり得ないと思っている人がほとんどでしょう。

日本の国債のほとんどが国内で引き受けられていて、対外債務が少ないといっても、デフォルトがあり得ないとは思えません。

投売りされる国債を、意図がある第3者が集めることもあり得ます。国内、国外と線を引くことなど所詮無理な話です。









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