議論をさせない討論番組

「Call Me Maybe」 が世界中で大ヒット曲になりました。

リズミカルで、とてもノリの良い曲ですね。

Carly Rae Jepsen の可愛らしさもあり、日本でも大変な人気でした。

最初ラジオから流れてきた時は、Baby かと思いましたが、Maybeをこういう風にも使うんですね。
電話してもらえないかもしれない、という、少女の淡い揺れ動く心の内を現わしているのでしょうか。

リズム、曲、歌詞、とても魅力的な曲だと思います。
今の世の中、若い人達が夢中になる音楽やコミック、サブカルチャー類に同時代性があるため、カナダの若者をとらえる曲は、アメリカの若者にも、日本の若者にも響くのでしょうね。それが世界的ヒットを生む素地となるのでしょう。


しかし、こうした時代性を共有できる現代社会にありながら、若い人達の欲求をないがしろにし、人々を情報隔離しようと試みる国もあります。

韓国では日本のコンテンツには規制を掛けているのは有名なことですが、それは昔のことではないかと言う日本人も少なくないようです。日本の制作ドラマやJPOPの地上波放映を禁止されていることは、日本のマスコミ人もあまり話題にしたくないようです。KPOPや韓国ドラマは、日本の地上波では垂れ流し状態ですが、韓国に対して日本のドラマやJPOPの放映禁止を解除するような有効な働きかけができないでいる状況ですので、話題にはしたくないのでしょう。

しかしながら、JPOPや日本の文化をオミットするという情報操作の中でも、お隣韓国の若者達は、アングラ情報をうまくつかんで、日本のコンテンツにはそれなりに触れているようです。
北朝鮮ではどうでしょう。韓国のような豊かさがないため、サブカルチャーどころではないのでしょうか。
生まれた国によって、何という大きな格差でしょう。



昨日9月23日(日)NHKスペシャル「対立を克服できるか〜領土で揺れる日中・日韓〜」を、日中問題は途中からでしたが、韓国問題は最初から最後まで見ることができました。

韓国の識者3人(歴史財団前理事長、シンクタンクの日本研究センター長、韓国の大学の総長)
と、日本側は田中均氏、神戸大学大学院教授木村幹氏、櫻井よしこ氏です。


番組を見ていて、不愉快に感じる点がありました。
それは、韓国側が答えに窮したり、反論しようとする韓国側の論点が明らかに筋が通らずに破綻しかけているのが明らかになると、司会の三宅NHKアナウンサーが、話の腰を折ったり、話題を打ち切ろうとするのです。最初から最後までその姿勢は一貫していました。

画面からは気が付きませんでしたが、イヤホンを通じて指示が出ているとしか思えません。話の腰を折るのが上手い三宅アナウンサーですが、視聴者からしたら議論が佳境の部分になった時に、それまでの脈絡をウヤムヤにするのは不自然に見えますし非常にストレスを感じます。

また、例えNHK側は装っているのであっても、真面目な討論番組を期待している視聴者は、真剣に問題の究明を図りたいと思っています。
その真面目な場と信じている議論の場で、韓国側の思考レベルや論点が浮き彫りになろうとするところで、議論を終わりにしてしまおうとする態度は、議論軽視、コミュニケーションを軽視する姿勢であり、問題を解決する真摯な場を話し合いで築きあげていこうとする努力をなし崩しにし、非常にアンフェアーな態度と感じます。私は怒りを感じました。


NHKも民放同様、過去に捏造番組作成の実績もあり、大組織で内部チェック機能が機能しているとも思えませんので、ジャーナリストとしての過剰な役割を期待する方が無理なこととは思います。
しかし、こうした作為を感じさせる姿勢を目の当たりにすると、民放の世界で起こっていることが、公共放送と呼ばれるNHKでも同様に起きているのだろうと考えるのが自然なことなのだと思います。

本来広告主の影響を受けずに客観的な立場を保てると目されているNHKが、広告業界、マスコミ業界への大きな影響力を持つ存在に左右されてしまうのだとすれば・・・
そして、その影響力の裏付けには何らかのベネフィットがある筈です。


ともあれ、多分に情緒的な反発を合理化していると思える韓国の識者の論点を、櫻井さんは、客観的冷静に、史実に基づいたり、論理的に議論を進めることで、韓国の識者たちの矛盾を際立たせました。

こうした櫻井さんの史実や現地調査の地道な積み重ねによる議論と、韓国側の論点とをつけ合せようとせずに、ウヤムヤとする客観性を欠いたこの日のようなNHKの姿勢が、問題解決を遠ざけ、謙虚さを排除し非難の憎悪を増幅させているだけなのが、何故分からないのだろうかと思います。


放送の内容には、細かくは言及しませんが、韓国経済は躍進し、放送の中でも世界で15番目の大国と言われていました。先進国の仲間入りをしていると言っても良いでしょう。
しかし、番組を見る限り、その識者にして、精神性は非常に幼く感じられ、議論がかみ合いません。
意見が異なる以前に、日本も韓国と同じ考えを持つべきという、演繹法的な思考しかできないようなのです。
これでは、議論にはなりません。
議論になってしまうと、論点の不備が露わになり韓国にとって不利であると考えているのでしょうか。
そのため、国際司法裁判所への提訴については、あれこれと駄々っ子のような非論理的な言い訳で反対しているのでしょう。

激高して冷静な議論ができなくなるのを案じてか、時に微笑を浮かべながら冷静に、具体的客観的に証拠をあげていく櫻井さんの、頭脳明晰さと論理性が目立った番組でした。


腰が退けるのは、怖さのためか、便宜を受けているためか、国益(日本以外の)のためか、一体何故なのでしょうか。







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