憧れの地の大いなる幻滅(4)

2009年7月5日のウルムチ事件で、中国政府は、実際の死者数を下回る数を発表し、その死者の大半が暴動に巻き込まれた漢民族だったとしています。

中国政府の少数民族への粛清振りの一端が窺える、ラビア・カーディル氏の言を、「WEDGE Infinity 2009年07月29日(Wed)  有本 香 (ジャーナリスト) 」の記事から引用させていただきます。
ウルムチのデモで多数の死者が出た後のことについて、ラビア・カーディル氏は言及しています。

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「問題はその日の夜なのです。日没後、ウルムチウイグル人居住地区が一斉停電した。その後数時間、絶え間なく暗闇のあちらこちらで銃声が鳴り響いたそうです」

その不気味な様子を、密かに撮影した映像が後日インターネット上に公開された。デモの参加者のみならず、見物していただけの人も大勢が銃弾の犠牲になったと推測されている。

「結果、翌朝には、その地域で約1万のウイグル人が消えたとの情報があります」

「消えた? 拉致されたのですか?」と問い返すと、「殺された者、逮捕された者……。いずれにせよ、一夜にして消えたウイグル人が1万にものぼるというのです。当局は、死傷者をすべて車に放り込んで運び去った。だから、家族の元には遺体さえ残っていない。消えたとはそういうことです」

にわかに信じられず言葉を失っていた筆者に、議長はその情報源の一部を明かしてくれた。事件当日、現場を目撃した後外国へ逃れた人からの情報のほか、別の相当信頼に足ると思われる情報源もある。その情報源に、アメリカ政府筋も注目していると、後日、別の筋から聞いた。

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まるで、ハリウッドのアクション映画の一シーンのようです。今やアメリカに次ぐ世界第二の経済国家で、3年前に起こったことです。

以前にも触れましたが、ウイグル人の妊婦は中絶させられ、ウイグル人の子孫が絶たされようとしています。
少数民族の住む土地に、軍とその地域での特権階級となる大量の漢民族が送りこまれます。

男は殺され捉えられ、女性は漢民族の子供を産まされ、少数民族の血は徹底的に薄められ、中国共産党に敵対しない優秀な漢民族の血の濃い国家を造り上げたいという意図なのでしょうか。

ウイグルだけではありません。ウイグルに先立って、チベットでも同様なレポートが報告されています。
あまりに強烈な政府の弾圧に、抵抗する意欲も、生きる意欲さえも喪失してしまっているというのが、この少数民族の人達の現状のようなのです。

中華思想の怖ろしい結実です。
私は、従前感覚的に理解できなかった中華思想を、チベットウイグルの人達の犠牲を通じて、感じるようになりました。ほんの一端に過ぎないでしょうが、、

基本的に、日本のマスコミは中国共産党の官製情報に基づいた報道をしています。評論家が中国を批判する場合もありますが、その基情報は官製情報ですので、きわどい話題になることは少ないのです。
真実と思える情報はBBCなどの海外メデイアや、You Tubeなどの映像から判断するしかありません。You Tubeには、逆に官製と思える捏造映像も流されたりしますので、私達は自分のフイルターを鍛え、磨いていかないことには、物事の核心に到達することができません。

こうした、ジャーナリズム精神の欠落した日本のマスコミが、結果的に牽引することになる、外国人への参政権付与などの優遇策によって、ハワイ王国アメリカが併合したような下準備が着々と進められてきているように思います。

この流れでいけば、日本はどうなるのでしょうか。
自分の個人的妄想ですが、

1億2千万人という人口も、大陸から見れば少数民族。優秀な漢民族の濃い血を注入するため、父親が日本人の子供は中絶させられ、女性は漢民族の子供を産まされ、反抗する日本の血の流れる男性は、ある日どこかに消えてしまう。
主要な企業の中枢には、本国で職に就けない優秀な漢民族の男性が特権階級として大量に流れ込んで、反抗しない日本男性を奴隷のように顎で使う。多くの従順な日本人は職に就けず、反抗もできずに、無目的に無為に毎日を過ごし、子孫を作ることなく死に絶えていく。

事前に、このような事態を想定していた富裕層や官僚達は、着々と準備を進め、家族を連れて海外に移住する。
中国に媚を売っていたマスコミ人達も海外移住するか、日本に残る人達は新たな漢民族体制のPRを積極的に行い、日本人の馴化に努め、日本国内の安定を図るという要職に就くことで安定した生活を保持しようとする。
間違っても、高貴なチベット民族やウイグル民族などのように、海外で日本の独立運動を呼び掛けるような、危険で大変で面倒な運動を起こすようなことはなく、優雅に楽しい人生を送ろうとする。
国境のない世界市民として暮らすことが理想社会であり、それを自分達は実践できているという充足感を感じながら。2チャンネルのようなネットの世界では、怨嗟の投稿は絶えないが、心を乱されることはなく、、

歴史のある中国は、100年、200年の長い期間で物事を考え、領土問題なども棚上げという言い方で、相手の行動を縛り、裏では国民には中国の領土だと教育して、この間に軍事力を高め、次世代、次々世代に強面外交で解決させるという、実に大きなスケジュールで物事を考えるところがあります。

彼らのやり方であれば、100年、200年すれば、日本人の血も、日本の伝統も消滅させることもできるでしょう。
日本の伝統は観光事業として外貨が稼げるものは残すでしょうが、それ以外の伝統、宗教的香りのする行事、お盆やお彼岸の慣習等は禁止されます。雛祭りや五月人形等の祝いの背景は切り捨てられ、見世物として、観光土産としてアピールできるかどうかという点で残されるものが出てきます。宮廷行事などは、外国人観光客にオープンにして、海外に積極的にPRするかもしれませんが、敬意を払われるということではないでしょう。彼らにとって日本は侵略者ですから。
平和裏に日本を統治しているという象徴として、天皇制は、うまく海外アピールに利用されてしまうかもしれません。

公用語の中国語を話すようになって100年も経てば、日本の島々に居住する人達は、皆が優秀な漢民族になっているでしょう。

こんな妄想を私は即座に思い浮かべます。今の日本の状況で進んでいけば、この未来図はそれほど外れていないと私は思っています。
ただし、国民の多くが反対したことのある日米安保条約があります。この同盟国アメリカの存在と、日本に恩義を感じてくれている親日国、人権問題に敏感な先進国も。
そうした国々の存在が、微妙にパワーバランスを変えていくことでしょう。

しかし、そうは言っても、日本の背骨は溶解してしまうのではないかと不安になります。