恥ずかしい批判

WiLLの12月号で、自民党総裁安倍晋三氏と金美齢さんが対談しています。


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金氏
九月十九日には、昔の勝手連のような決起集会が開かれ、民間の有志たちが、それも何の経験もない若い人たちが大勢集まって、安倍さんを応援しました。今回の総裁選挙では、それぞれが自分のできることを精いっぱいやったと思いますが、私はとくに若い人たちの頑張りにエールを送ってあげたいんです。

安倍氏
そうですね。決起大会というと、通常は自民党の支援団体の方々を集めるのですが−もちろんそのような方々も大変重要です−私の決起大会には、どちらかと言うと、学生やインターネットで繋がりを持った若い人たちが集まってくれました。大会に出席していた参議院議員世耕弘成さんが、彼は非常にクールな男なんですが、その彼でさえ、若い人たちの応援メッセージを聞いて思わず涙ぐんだというほどの熱いお言葉をいただきました。

先日も、秋葉原で私と麻生さんの二人で演説会を行ったのですが、数千人の聴衆が集まり、我々の演説会が終わっても皆さんは帰らない。その時、新聞やテレビの報道陣が偶然にも聴衆の中央で取材をしていた。すると、若い人たちが彼らに向かって、「もっとちゃんとした報道をして下さい!」と声を上げた。この時の様子はいまでもユーチューブで見ることができますが、これまでにない新しい出来事ではないかと思います。

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若い人達は見ていますね!
自分達の頭で考えて、事実をしっかりと把握しています。
こういう人達が社会の中枢を担うようになるまで、今の日本を何とか沈没させずにバトンタッチできるようにできればいいのですが。

50代、60代の戦後民主主義の洗礼を受けた世代は、多忙さもあり、仕事以外のことを、自分の頭で物を考えるのが苦手です。その下はバブル世代。
更にその下の、20代から30代の若者に、みずみずしい感性と冷徹な頭脳で物事をとらえる人達が目立っています。
マスコミの報道を真に受けずに、一歩踏み込んで考えています。
思考停止していないのですね。

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また、メディアは安倍さんが総裁選投票日当日に三千五百円のカツカレーを食べたということで、値段が高すぎると叩きました。

安倍
ところが、それを報じた新聞社のレストランではより高いカレーがあった(笑)。その指摘はインターネットで流れたんです。すると、メディアはこのような方向性ではもう批判できなくなる。時代が随分と変わったのかなと思いますね。

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このマスコミの思考パターンは、麻生総理の時と同じです。

2008年10月22日の首相官邸でのぶら下がり会見で、当時の総理麻生太郎氏に、北海道新聞の記者が、執務終了後に高級ホテルなどで会合を繰り返していることを指摘して、庶民の感覚とかけ離れていると執拗に批判したことがありました。
そのときの記者の質問は実に低レベルの質問で、ホテルのバーに行く頻度の点や金額の点等、誤解を与えるような聞き方をしていました。
麻生氏は、記者の質問の作為性を指摘したり、総理がお店に入った際の安全の問題や、他のお客に迷惑をかける点等を冷静に指摘して、納得のいく説明を行いました。

しかし、TV局は麻生氏とホテルのバーの映像を何度も何度も放送して、麻生氏が庶民の気持ちを理解しない政治家というイメージを作り上げていきました。また、新聞も、他に報道すべきことがたくさんある中を、麻生氏が記者に切れたなどと、陰湿な姿勢での報道が連日続きました。重要な問題について本質的な質問もできずに、飲食の場所と金額などを大切な質問時間にしてくる記者に、切れない総理大臣の方が常識がないと思います。叱咤されて当然の記者です。

余談ですが、麻生氏が行くというホテルのバーのメニューと値段を調べて、特に高いものではないことをネットで報告して誤解を解いたり、
麻生氏が良く行くと非難された六本木の馬尻が、決して高い店ではないこと、東京という場所にしては割安な店であることを調べてネットで報告してくれた人もいました。これも若者の行動でした。

庶民感情を考えて焼き鳥屋で飲めなどと進言した管直人氏や、実際に居酒屋で飲んでいる所を放送局に撮らせて庶民派の宣伝に使った小沢一郎氏などの行動を、誇らしげに放送していたTV局でした。
著名な政治家とそのSPや、庶民的な姿を撮影しようと押しかけたTV局の面々が殺到した居酒屋は、お客も店主もいい迷惑ではなかったでしょうか。

さて、民主党政権になってから、最安値のランチでも1万円以上する店に食事に行く鳩山由紀夫氏の、それ以外の馴染みのお店の、びっくりのメニューと金額を調べてくれた若者もいましたが、マスコミは無視していました。

ご本人は気にされていたのでしょう。イメージを打ち消そうと、モスバーガーに家族と行った映像が、これも何度も放送されていました。

・・っと、もう終わりにしましょう。この手の実にくだらないやりとりが、あの頃はいろいろありました。見ているこちらが恥ずかしくなってきます。

ここでも、冷静な反応をしているのは若者でした。

こうした本質論でない所を、針小棒大にあげつらってイメージを貶めて、肝心な点を誤魔化そうとするのが、日本のマスコミの常態です。

安倍氏は、このような方向性ではもう批判できなくなる、とおっしゃっていますが、マスコミは執拗にこのレベルの攻撃を行うことでしょう。
体質になってしまっています。