訃報に接して

昨日は韓国大統領の当確が、当初想定されていた時間よりも早く出たということと、投票率が75%と高かったことから朴槿恵(パククネ)氏(60)には不利と思われていたことから、二重の意味でサプライズだったようです。
朴 正煕(パク・チョンヒ)元大統領の長女、保守系の与党・セヌリ党の朴氏が、初の女性大統領として韓国を今後5年間牽引していくことになるようです。

父親の元朴大統領は軍出身の独裁政権と思われていますが、韓国国民の利権体質の土壌で、腐敗政治家を排除して、賄賂の横行や、闇取引を摘発して、治安を向上させるために、数々の施策を行いました。その施策を遂行するために、強権的なことがあったとは思います。

当時の情勢では利権排除などを権力無しで行おうとすれば、利権で富を肥大させた側に、簡単に失脚させられ、暗殺されたことでしょう。実際、夫人も元朴大統領も、北朝鮮の意を汲んだ暗殺者と言われていますが、暗殺者の手により亡くなりました。

しかし、約16年間の施政で韓国の国家の骨格を形作り、韓国を驚異的な経済発展に導き、現在の韓国の礎を築いた偉大な大統領です。関連した資料を見てみると、その人間性の際立った様子、清廉さが見て取れます。

WiLLの編集部が、元大統領の残された著作から、国家観や民族観をレポートしています。元大統領は当時の韓国民族の醜悪さや慣習、思考を客観的に捉え批判し、どう変えていかなければならないかをサジェストしています。その冷徹な頭脳とハートは感服するものです。


さて、昨晩朝日TVの報道ステーションでこの朴槿恵氏当確のニュースを見ましたが、カメラがソウルからの映像に切り替わるや、旗を持った支持者が朴氏の名前を連呼していました。現地レポーターは周りの歓声で、東京からの音声が聞こえないなどと、臨場感を創出しようとしているのですが、連呼しているのはレポーターがいる周辺だけ。ちょっと離れれば、静かに東京と通信ができそうなのですが・・・

そんなやり取りが、番組内で2度ほどありました。ヤラセ報道というよりは、番組を盛り上げるための脚色の一つ程度と軽く考えているのでしょうが、普段のちょっとしたことでも、こういうヤラセが習い性になっているのがこの種の報道番組にさえも窺えます。この体質をして、事実を覆い隠すことを何とも思わなくなるのでしょう。

こうした細部を見てしまうと、この番組の報道者の発言の内容が、いっそう空疎なものに聞こえます。
この番組の出演者の批判は、批判というよりも、皮相な単なる文句のようなもので、建設的にどうしたらよいなどというサジェスチョンが伺え無い場合が多いように思います。
こうした立ち位置を取っている限り、受動的な批判・文句を繰り返すだけの報道機関のレベルにとどまり、政権当事者への本質的な批判は、思考回路的にもできなくなるのではないだろうかと思います。


今日はオフ日なので、朝から報道番組を見たりしています。現在朝日TVのモーニングバードを見ながら、この文章を書いていますが、モーニングバードのキャスターも次期自民党政権への不安を、今から煽りに煽っています。

前安倍政権の時に、朝日新聞は安倍の葬式はうちで出すなどと発言し、マスコミのネガテイブ攻撃でその通りに安倍政権を失脚させたということがありましたが、今回の次期安倍政権に関しての朝日系列の報道も、既にイラつき感を100%出していますが、皮相的なものに見えます。こうした議論に終始して、恥ずかしくないのかななどとも思いますし、時間をだらだらとつないでいるだけの報道と思えるときが多く、一歩踏み込んで本質論議を国民の前に提示して欲しいものです。意図は別にありますので、その期待は叶うことはないものですが。



さて、本題ですが、
WiLLの12月号に、羽生善治氏の意外なエピソードを紹介され、羽生氏に国民栄誉賞を推挙されているという話が載っていましたので、まだまだお元気で何よりと思っていたのですが、、

前立腺がんということを公表されていましたが、著作が多い方で文章を目にする機会があるためか、こんなに早く亡くなるとは思ってもいませんでした。
69歳というのは、とても早いです。残念です。

確か産経新聞論説委員もされていましたが、米長氏の執筆の順番がなかなか来ないなと気になってはいたのですが。

米長邦雄氏の文章は人柄がうかがえ、洒脱で頭脳明晰なのを良く現しているように思えます。
天才と呼ばれた米長氏のエピソードは、さぞ生意気だったとろうと思えるエピソードさえも、ユーモアを感じさせるものです。
また、別な機会に触れたいと思いますが、お会いしたこともありませんが、自分にとってその存在が一つの支えだった方です。

ご冥福をお祈りいたします。