カジノ解禁

日本でもカジノ解禁に向かって、着々と準備が進められています。
日本政府が6月に策定する新成長戦略には、カジノ合法化による経済効果等が盛り込まれる予定のようです。
地域を限定した特区として、カジノを認める方向で検討されているようですが、地域を決めるに当たり、激しい招致合戦が繰り広げられるのでしょうか。

この推進には、与野党から熱いエネルギーがほとぼしっているようです。
超党派の「国際観光産業振興議員連盟(通称・カジノ議連)」は秋の臨時国会において、議員立法で法案を提出する方針と報道されています。
政治家は、自分の地元を特区にすることで、地域と自分の懐との活性化を図ろうと余念がないのでしょうね。

地域の活性化の核にしていきたいということで、カジノ特区に名乗りを上げたい自治体は多いでしょうが、カジノに対するマイナスイメージがあるのも確かで、地域の住民の中には反対運動を起す人達も出てくるかもしれません。

日本では暴力団へのしめつけがきつくなっていますので、その活動が一般社会に流れ込んできている傾向にありますが、このカジノへの参入は、新たな資金源として暴力団にとっても魅力的に映ることでしょう。
そういう筋と結びつきが強いという自治体の長の噂も聞きますので、そこに政治家が絡むことで、マネーロンダリング資金洗浄)の強固なトライアングルが生まれないとも限りません。
最初に作り上げる際に、こうしたダーティーな人達は極力排するようにして欲しいと思いますが、力を借りなければ運営しにくいという面もあるのでしょうね。


ところで、知人が昨年カンボジアに行ったとき、カジノを楽しみにしていたそうです。
しかし、丁度シアヌーク殿下の喪中にあたり、繁華街もひっそりとしていたので、そういう気分になれなかったそうでした。

知人は、静岡県の企業家の人達や、銀行や県の海外進出支援の人達とカンボジアに行きましたが、日本に戻ってから、一緒に行った人達の間で、話題になったことがありました。
あの時、カジノに行かなくて良かったね、という話題なのです。

知人がカンボジアにいた時と変わらない頃だったようですが、知人が行こうと思っていたカジノで大儲けをした日本人がいました。
可哀想に、その日本人は大金を手にしてホテルに戻る途中で、刺殺されたのです。
カジノから追跡されて狙われていたのですね。
大勝ちした人を狙うというのは、確かに犯罪効率は高いでしょう。まして、旅行者であれば警戒心も薄いでしょうから、悪意のある者にとっては割の良い仕事なのかもしれません。

発展途上の国では犯罪が直接的です。
大金を手にした人を殺せば、自分が大金を手にすることができると単純に考えるのですね。でっちあげの交通違反で賄賂を強要する警官もいるようですので、金額によっては殺人を見逃してくれる警官もいるかもしれません。

日本のような逮捕率の高い文明国では、殺人でお金を巻き上げるのではなく、詐欺罪などの知能犯のフィールドが広くなりますので、身の危険の度合いは格段に低くなります。日本で外国人犯罪が目立つのは、こうした意識のギャップがあるからでしょう。

さて、こんなことを聞くと、やはりカジノは危ないのではないかという人もでてくるでしょうが、それは運営の手法で解決できることと思います。

カジノのある国の方が危険であるとは、一概には言えないようです。