カジノ閑話2

カジノといえば、経済効果は抜群で、海外ではアメリカなどの先進国以外でも、積極的に運営している所も少なくありません。
カジノは海外からの旅行客へのアピールポイントにもなりますし、新たな雇用創出などの成果も見込めます。
また経済効果として、遊戯機械からコインや貨幣の識別機、ソフトの開発、デバッグの業務等々、精密機械やソフト関連、ホール運営と裾野は広く、技術開発にもつながっていきます。
そうした期待の半面、風紀の乱れや、マネーロンダリング資金洗浄)の可能性、暴力団の活動資金化などが懸念されます。

日本で遊技場の運営を行っている企業は、警察幹部の退職者を受け入れている場合があります。見方を変えると、警察関係者からして格好の天下り先になるわけですが、それは強面だけでなくブラック筋とのパイプを見込まれてのことでしょう。

カジノと言うと、日本の勢力以外に大きな筋を相手にしなければならないため、日本にカジノを作ったときに、それをできる会社があるのだろうかと素朴な疑問が湧いてきます。

マカオのカジノ王・スタンレー・ホーを筆頭に、ラスベガスのスティーブ・ウィン、シェルドン・アデルソン、カーク・カーコリアン等々、カジノを取り仕切る大物の名前は、他の経済界の成功者の名前と違って、ちょっと怖いイメージを伴っているように感じます。


「小出ランニングアカデミー」への協賛や自社の陸上部などでも著名なユニバーサルエンターテインメントは、日本企業が海外でカジノの運営を行っている稀な例として知られています。
自分の田舎にも同社の工場がありますが、パチスロを作っている会社程度の知識しかありませんでした。

ユニバーサルエンターテインメント社に興味を持ったのは、今年の3月に朝日新聞のスクープで、
石原慎太郎氏の三男である、石原宏高議員側が先般の衆院選で、ユニバーサルエンターテインメントの社員3名に選挙運動をさせていたのではないかという疑惑の報道を見たからでした。

真偽のほどは分りませんが、その見出しだけ見ると、根拠のない連想が湧いてしまいます。
ははあー、石原宏高議員とユニバーサルエンターテインメントとは、そういう関係があるのか。そういえば、石原慎太郎氏が都知事の時に、東京にカジノを誘致することに熱心だったなー。
東京都にカジノ開設が決まったら、その運営会社にU社を据えるつもりだったのだろうか。そうなったら、巨額の利益をU社にもたらすだろうなー。政治家にはどんなメリットが出てくるのだろうか。いやいや日本の経済再生への熱い思いが第一義で、キックバックなどは眼中にないのだろうな。などなど、妄想が頭の中を駆け巡ります。
疑惑の報道というのは、怖いところがあります。報道する側は、たとえ断定していなくても、受け手はその報道が注釈無しで潜在意識の中に入ってしまうことがあります。
特に自分の場合は頭に余裕がないためか、意識下に入る場合、「AにはBの疑惑がある」という回りくどい表現でインプットされずに、「AはBだ」というように、説明修飾する語句が飛んでしまっている場合が多いようなのです。
そのため、無意識の顕在化が生じるときに、意識して検証し直したり、記憶のウエイト付けを低くしたりしないと、世界観が歪んでしまうことになります。

それにしても、ユニバーサルエンターテインメントという会社、海外のカジノメジャーに対抗するような力と怖さを持っているのだろうかというのが、私が興味を持った点です。